デザインと環境技術の統合INTEGRATION OF DESIGN AND ENVIRONMENTAL TECHNOLOGY

「デザインと環境技術の統合」は、美的・空間的な創造性と、機能的・持続可能な技術の融合を意味します。従来、デザインは主に造形や体験を重視し、環境技術はインフラや数値的性能に焦点を当ててきましたが、ランドスケープの領域ではこの両者を対立させず、一体的に計画・設計・実装することが求められています。
例えば、屋外での風や温熱、光量や日陰のシミュレーションに基づくデザインは、樹木の配置や舗装材の選定、温熱環境や風の通り道など、環境工学的知見を基盤にしながら人々の活動や感性に応える空間デザイン、快適な場づくりを可能とします。
また生態系の再生、土壌や水の浄化、資源循環の仕組みを取り入れた設計なども、環境技術とデザインの統合によって実現される分野です。これらは単に「環境に配慮した空間」ではなく、人間と自然との共生を前提とした、新たなランドスケープのあり方を示すものとなります。