LD LETTER

vol.8

2022.02  TOKYO PORTCITY TAKESHIBA OFFICE TOWER

COMMUNITY ENRICHMENT

ENVIRONMENTAL SYMBIOSIS

緑とアクティビティが重層的に繋がるランドスケープ 東京ポートシティ竹芝オフィスタワー

LD VISION:    地域価値向上環境共生

東京湾に近接した竹芝地区に誕生した超高層オフィスビル計画です。
低層部に積層するテラスを設けた建築計画に対し、ランドスケープ計画では地上部を含め各層毎に特色ある広場を点在させ、緑と人のアクティビティが重層的に重なり合う空間づくりに努めました。また、「竹芝新八景」と称した生物多様性の向上にも取組み、環境的な地域課題の解決と生物多様性向上に努めています。竣工後、屋外空間で多くのオフィスワーカーが働き、近隣住民の方々が憩い・賑わう様子を目にすることができ、新たな交流の舞台となっています。

東京ポートシティー竹芝オフィスタワー外観

位置図

計画地周辺鳥瞰

東京ポートシティ竹芝オフィスタワー
所在地 東京都港区海岸一丁目7番1号
主用途 オフィス・商業・展示場・集会場
事業主 株式会社アルベログランデ(東急不動産・鹿島建設)
外構設計 株式会社ランドスケープデザイン(基本計画・基本設計・実施設計・工事監理支援)
株式会社プレイスメディア(基本計画)
建築設計 鹿島・久米設計工事監理業務共同企業体
外装デザイン監修 KOHN PEDERSEN FOX ASSOCIATES
施工 鹿島建設
敷地面積 12,156.65m²
工期 2016年5月~2020年5月

全体マスタープラン

積層するテラスに特色ある広場を配置

スキップテラス夜景

立体回遊庭園

近接する旧芝離宮恩賜庭園や浜離宮恩賜庭園は東京を代表する池泉回遊式庭園として水と緑の調和した庭園となっていました。東京湾に向かって配置されたスキップテラスでは、これらの回遊式庭園を現代風に解釈し、オフィスワーカーや来街者が憩い・集える緑豊かな多様な場づくりを行い、それらを回遊式庭園のように巡ることで多様な空間体験ができる立体回遊庭園を形成しました。

竹芝新八景アクソメ図

フロア毎にテーマを持った新八景を立体的に展開

4F菜園

五感で季節の旬を体感することができる菜園

5Fミツバチ巣箱

周辺地域の生態系を繋げるミツバチ

3F壁面菜園(写真左)・アクアテラリウム(写真右)

4F水田

日本の稲作文化を四季の変化と共に体験できる水田

『竹芝新八景』~生物多様性をテーマにした8つの取組み~

低層部のスキップテラスを中心に、「雨・水・島・水田・香・菜園・蜂・空」の8つの景から成る『竹芝新八景』を展開しています。
新八景を舞台としたイベントなどを通じて、生物との触れ合い・農体験などの機会をオフィスワーカーや近隣の小学生などへ提供し、地域の生物多様性向上や環境教育に取り組み、人々の生物多様性への認知と理解の向上に努めています。このような取り組みの結果、第1回グリーンインフラ大賞優秀賞を受賞いたしました。

レインガーデン平面図

レインガーデン断面図

1Fレインガーデン

地下水涵養を目的としたグリーンインフラ。緑地内には飛石を設け、散策を楽しめるガーデンとしても活用されている。

レインガーデン~雨水浸透を視覚化した庭~

敷地南西部に水質浄化・地下水涵養を目的としたレインガーデンを設けています。緑地エリアと建物テラスの雨水の一部を時間をかけて一時貯留・浸透させることにより、下水道負荷の低減に貢献するとともに、雨水浸透を視覚化した庭として環境教育の場として機能しています。また、浸透エリアの表層仕上げには、竹芝地区の伊豆諸島との繋がりに配慮し、新島産の抗火石を用いています。

※写真提供: ※川澄・小林研二写真事務所